耐震補強が必要な家

大地震があるたびに耐震基準は改正されています

日本は過去に何度も大きな地震が発生しており、そのたびに非常に多くの方が亡くなられています。
東日本大震災では津波による被害が甚大でしたが、他の震災では、家屋が倒壊しその下敷きとなって圧死されるケースが被害者の大半を占めています。そのため、国は大きな地震が発生するたび、被害状況を詳しく調査して耐震基準をより厳格に改正して来ました。主な大地震と耐震基準の変遷は下図のようになります。

1981年に「新耐震基準」が規定されましたが、その後の阪神大震災でも多くの家屋が倒壊・崩壊したため、2000年に再度建築基準法が改正されました。これが「2000年耐震基準」です。現在も新築時にはこの基準に準拠して家屋が立てられています。

新耐震基準でも家屋は倒壊する!

2024年1月1日に発生した能登半島地震では、復旧が遅れているため調査がなかなか進んでいませんが、石川県珠洲市では全壊した木造家屋の実に半数が新耐震基準で建てられていることがわかってきました。
また、熊本地震では詳しい調査の結果、新耐震基準でも多くの家屋に被害が出ていることがわかりました。

耐震基準

1981年に「新耐震基準」が規定されましたが、その後の阪神大震災でも多くの家屋が倒壊・崩壊したため、2000年に再度建築基準法が改正されました。これが「2000年耐震基準」です。現在も新築時にはこの基準に準拠して家屋が立てられています。

新耐震基準でも家屋が倒壊する理由

京都大学生存圏研究所
補強・無補強既存木造住宅の振動台実験の解析動画より

まずは左の動画をご覧ください。
木造二階建ての家屋が地震によって倒壊する様子です。
右の家屋は、一階部分が屋根と二階の重さに耐えられず潰れてしまいます。いっぽう左の家屋は、同じ揺れでも倒壊しません。

この違いはいったい何なのでしょうか。よく見ると左の家屋は一階の柱が土台にしっかりと固定されていますが、右の家屋は一階の柱が土台から抜けています。

つまり家屋が倒壊する理由は、一階の柱が土台から抜けるいわゆる「柱のほぞ抜け」が原因なのです。

阪神淡路大震災の調査から家屋の倒壊原因が明確になったため、国は慌てて新耐震基準を改正し、柱と土台を「ホールダウン金物」で固定させることを義務付けました。これが2000年基準です。
上の動画で言えば、左が2000年基準、右が新耐震基準または旧耐震基準の家となります。

耐震対策が必要な家とは、
ホールダウン金物が設置されていない
2000年6月以前に建てられた木造住宅です。